ケノーベルが目指すケータイスタイル

 パソコンを中心としたインターネットの普及は光ブロードバンドにより高速大容量、低価格化でより多くのサービスが実現できるようになりました。
 また、携帯電話(ケータイ)の急速な普及で無線技術の進歩に拍車をかけ、今後更に高速で大容量、廉価なサービスが実現可能となります。そしてケータイの普及によって他の組込機器へ影響を及ぼし、相乗効果をもたらしました。
 これらの実現には、事業者、販社、メーカおよび関連企業の努力、そして何よりも現場の人々の凄まじい勢いと努力によって、多くの難関を乗り越えて成し遂げられたものです。
この場にて敬意を表します。

 モバイル向けの優れたサービス、とりわけケータイ向けサービスは、事業者などサービス提供者がケータイの機能をフル活用できる新たなサービスや対応するコンテンツを提供し、技術公開も行われてきました。そのお陰でモバイルの特徴を生かした新たなアイデアを喚起させ、新たな「使われかた」を創造できるようになりました。

 ところで、高速大容量化によるブロードキャスト、マルチキャストのような1対多の関係が広がるにつれ、反ってサービス提供者の存在は利用者から疎遠となり、ケータイによる人と人とのコミュニケーションはメールや対戦ゲームのようにネットワークを通したものになりがちです。
 例えば2人のケータイ利用者が隣同士で居たとします。サービス提供者とケータイ(ひとりの利用者)が何らかのサービスでつながり、利用者はケータイを操作します。隣の人はそれを覗き込んで楽しみ、ひとりがダウンロードしたものを版権などに支障がなければ隣の人へ転送する、ということも可能です。しかし、ふたりが同一サービスを受けながら、お互いに関係ない状態であったりします。そのサービスが隣同士を意識して開発されていないため認識できません。しかし、この関係が自然なスタイル、すでに「ケータイ文化」として築かれています。

 ケノーベルは技術進歩によって文化が変化していくことを否定するものではありません。それどころか技術進歩の象徴とでも言えるケータイによって、人と人(店舗なども擬人化)をどのように触れ合わせることができるかをテーマに探求してきました。
 それは既存の「ケータイ文化」に加え、古き良き人と人とのコミュニケーションを高めていくようなスタイル、例えば相手が見えるような関係、相手と向き合うよりは隣同士、向き合っているけれど皆の中で、というようなものです。
 そのようなスタイルを検討した結果、周りを意識しながらアクション(操作など)させることによって近隣の人(ケータイ)に影響させ、サービス提供者もメディアを通じて加わる、というダイナミックな展開が可能な新しいサービススタイルに辿りつきました。

 この新しいサービススタイルでは、ひとりの利用者と近隣の利用者にとって共有サービスとなるような動的コンテンツをカット・シーンとしてストーリ化し、アクションを起こすごとに変化していくような形態が必要となります。そしてサービス提供者が主催者となって主導権を持つ従来スタイルを維持しつつ、参加者の中から主催者を認定して権限を委譲し、そのレベルなどによってストーリに変化をもたらすことでサービス提供者の存在感を高めていくというものです。

 一方、このサービスを実現するためには技術的課題も克服する必要がありました。ここでは根幹に関わる点についてのみ触れますと、ステートレスなHTTPの特性を解決した「Ajax」などクライアント側アプローチは大変参考となりましたが「Ajax」だけでは不可能なサーバサイドの開発が必要となりました。しかも「Ajax」はフルブラウザでのみ実現できるため、ケータイでフルブラウザが当たり前になる時期はもう少し先となります。それでも冒頭の通りインフラが整い、ケータイ間のローカル通信も容易となったため、オープン技術をベースにしたシステム開発に取り組みました。

 そしてやっと、お世話になった方々へお知らせするために、サービススタイルの表現方法としてカテゴリごとに1つのサンプルを作成してローカル公開することといたしました。

 ユビキタス時代の本格的な到来に向けて、今後とも更に改良を重ねていきたいと考えておりますので、ご支援よろしくお願いいたします。